高次脳機能障害 就労日誌

未成年で高次脳機能障害を受傷後、リハビリ、職業訓練を経て障害者枠で正社員就労中(現在23歳 女性 ※精神障害3級)

生活上の工夫

よくモノをなくします。出かけるときに、「あれをもったっけこれをもったっけ」と確認するのが嫌なので、

私は玄関のドアに小さな透明のプラケースを貼り付け、そこに、手帳、メモ、腕時計、家の鍵などを一括していつも入れておくことで対策しています。

もちろん、帰ったらすぐにそこへしまわなければいけないルールなので、最初は習慣づけるのも苦労しましたが、根気強く毎日やれば、覚えられました。

注意しなければならないこと(例えばいつもと違って特別もっていくものが増えるような)ことがある場合は、

必ず持っていくカバンにもっていかなければならないものを紐でくくりつけておくとか、

ドアの前に障害物としておいておき、どかさなければ外に出られないような状況を作ることで、対策を取っています。

受傷以前は手帳を駆使せずとも不自由を感じずに予定を組めていましたが、通院日をすっぽかしてしまうことも多々あり、現在手帳はなくてはならない補助具として機能しています。

自分用の日報を残し、仕事の手順や覚書、感じたことなど、どんな些細なことでも書くことで、帰宅後に家族とフィードバックする時間を取るのも効果的でした。

私の場合は、小学生が使うような1日1ページ型の連絡帳を持って行き、業務の内容を時間帯ごとに書いて、

作業の内容や手順、明日はどこから手をつければいいかなど、なるべく多くの手がかりを残すようにすることで、仕事がしやすくなっていくのを実感しています。

家のあらゆる棚や引き出しにも、すべてラベリングをして、いちいち探し回らなくても住むようになりました。

正直、自分だけでどうにかしようとできるレベルの取りこぼしばかりではないので、迷惑をかけてしまっているとは思いますが、

周りの人の記憶リソースも利用し、なるべく私が今何をやっているのか理解してもらっておくことで、情報の行き違いや誤解を生むことを避ける工夫作りの真っ最中です。

先日、会社の同期たちと一緒に、新入社員研修として、仕事に関わる計算や知識について、学校よろしく勉強していましたが、

必要な機材の選定、選定のためのグラフ読み取り、数値計算など、ワーキングメモリ(作業時に必要な一時的な短期記憶)が必要になる場面が多々あり、

足並みを揃えられなかったという苦い思いをしました。正直、まだそこまで「自分がどのくらいできなくなったのか」実感できるような場面が少なかったかもしれません。

同時期に入社したはずの同年代に比べて、記憶力が悪いということを、痛感させられ、苦い思いでした。

平均点が82点のテストでしたが、私は29点でした。授業中寝てはいません。熱心にメモも取ったし、質問もしたのに…。

愕然としてはいますが、理解できていなかったことを理解できただけ良かったと思います。

私の障害は、傍目からわからないものであるゆえに、努力次第でなんとかなると思われがちです。

もちろん努力、工夫次第でどうにかなりますが、そのために他のリソースを犠牲にしています。

あの子は授業中寝てたのに、ふざけてたのに、私より覚えがよくて点数も良かった。考えるだけで歯ぎしりです。

でも仕方ありません。現実的に、障害は証明されているのです。健常者との出来の違いを考えたって、自己卑下になるだけです。

なのでまずは、他人とは比較せず、あくまで過去よりいかに進んだかだけを考えるようになりました。

試用期間3ヶ月が経過し、先日ようやく正社員として雇用されることが決定したので、とりあえずは一安心ですが、

これから自分なりに、ミスの少ない仕事をするための、様々な習慣づけが必要になってくると思います。

他人の協力が必要な場面も多々あるかとは思いますが、働きたい気持ちが根底にある以上、一人前になるまでは多少世間に寄っかかってしまおうと開き直っています。

幸い、会社の人事や直属の上司なども障害について理解をしてくれる方ばかりで、仕事の指示をする際は、メモを渡すようにしてくれています。

障害を受けたことはもうどうにもできないので、障害を受けた後も、自信を持って自立した生活が送りたいものです。